医療の質・安全学会誌
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高齢者を対象とした薬剤の包装形式の評価実験
泉谷 聡大倉 典子土屋 文人
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2011 年 6 巻 1 号 p. 31-38

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抄録
骨粗鬆症は女性高齢者に多く見られる疾患で,その治療薬の包装の視認性や操作性を高めることはとりわけ重要である.現在,週1回投与する骨粗鬆症治療薬は製薬企業4社から販売されており,それぞれ独自の包装デザインである.そこで,その違いによって見やすさや扱いやすさがどのように異なるかを明らかにするため,実験を行った.
被験者は,実験目的を知らない男女24名ずつの高齢者とした.4種類の薬剤を1種類ずつ実物で被験者に提示し,ユーザビリティを評価するアンケートに回答を得た.薬剤の提示順序はカウンターバランスをとった.
アンケートの評価点の平均値に対して主成分分析を行った結果,薬剤の「物理的な見やすさ(視認性)」を表していると考えられる第1主成分と,「見た目⇔取り扱い」を弁別する軸である第2主成分を抽出した.各薬剤の主成分得点から,それらの薬剤の包装デザインの特性が明らかになった.
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© 2011 医療の質・安全学会
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