農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
タマネギの播種セルトレイ貯蔵に関する実証的研究
山田 久也嶌田 晃平井 宏典
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2004 年 11 巻 1 号 p. 7-11

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抄録

タマネギ苗作り作業の平準化と貯蔵スペース削減を目的として,養土を充填したセルトレイにタマネギコート種子を播種し,覆土・かん水後に低温(2℃)・暗黒下で最長71日間貯蔵することを試みた.栽培試験を2シーズン繰り返した結果,いずれの貯蔵日数でも,全く貯蔵しないセルトレイと同様の育苗法を経て,全自動移植機による機械植えが可能であった.各貯蔵区とも,収穫した平均球重はおよそ250gで,貯蔵の有無や長短による差は認められなかった.さらに,10a当たりに換算すると,いずれも6tを上回る収量となり,収量にも貯蔵による影響はないと判断できた.また,仮に定植直前の苗で貯蔵したとすると,草丈から換算して1/3〜1/4の貯蔵スペースで済むため,この面からも本貯蔵法が有効であると言えた.今回は,秋播き,翌年春〜初夏収穫の作型について試験を行ったが,今後は,他の作型や品種への本法の適用について検討を進める.

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© 2004 農業生産技術管理学会
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