社会学評論
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特集号・日本社会と国際移民――受入れ論争30年後の現実
新しい権力エリートの創り出す再生産領域の国際分業
グローバル都市化をめざす国家戦略特区と外国人家事労働者
定松 文
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2018 年 68 巻 4 号 p. 514-530

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抄録

本稿は, 2017年に開始された, 神奈川県, 大阪府, 東京都, 兵庫県の国家戦略特区での「外国人家事支援人材」の受入れに関して, 移民論における女性移住家事労働者に関する先行研究に位置づけたうえで, マクロとメゾレベルでの制度の成立過程と諸アクターの関係をミルズの権力エリート論を援用しながら分析することで, 日本の外国人労働者受入れ制度における特異性とステークホルダーの権力集中の様相を論じている.

2014年の「日本再興戦略2014改訂」においては, 「女性の活躍」のためにと導入された「外国人家事支援人材」の受入れ制度であるが, 成立過程において当初は「高度人材」受入れのための「生活インフラ」として発議され, 施行後は介護保険外の生活支援分野にも拡大することが想定されている. ガバメントとは異なる, 一部の新たな権力エリートが政策策定過程と施行を担うガバナンス型の移民政策では, 従来の外国人受入れと大きく異なる点がある. 第1に, 国際的競争力強化のため「生産領域」に直接働きかける経済特区での生産労働部門での外国人労働者受入れとは異なり, 経済的に成熟した国家におけるさらなる技術革新と経済振興による競争力強化のための再生産労働導入であるという点である. 第2に, 単純労働は受け入れない方針にもかかわらず家事労働者を受け入れることは, 受入れ政策の変更あるいは日本における再生産労働者, 家事労働者の位置づけを変えていく転換点となる可能性を含んでいるのである.

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© 2018 日本社会学会
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