社会学評論
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「現象学的」社会学は現象学的か
シュッツの「三つの公準」をめぐって
山口 節郎
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1981 年 32 巻 3 号 p. 36-53

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抄録

Aシュッツの「現象学的社会学」は、社会的現実を、それを意味的に構成する諸個人の意識と結びつけて理解する最も確実な方法として、多くの支持者を見出してきている。しかし、一方で、詳しく検討してみると、彼の議論のなかにはいくつかの重大な疑問点が含まれていることがわかる。たとえば、社会的世界の理念型的構成物としての彼の「合理的行為のモデル」という考えは、はたして現象学の基本的視座と両立しうるのかどうか、あるいはそうした行為モデルと人間の自由の問題との関係はどうなるのか、そしてまた、彼のいう「適合性の公準」はそれ自体のなかに矛盾を含んではいないか、等々。こうした問題があらわれてくるのは、彼が社会科学の方法論的基礎を「自然的態度の構成的現象学」に求めようとしたことに原因があるように思われる。本稿では、シュッツの「現象学的社会学」が含むこれらの問題を、彼の主張する科学的構成物の妥当性を保証する三つの公準を中心に、考えてみたい。

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