社会学評論
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価値志向と現代社会
場知賀 礼文
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1993 年 44 巻 2 号 p. 147-160,240

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抄録
価値と価値志向にかかわる課題は社会学の研究において中心的な位置を占めるものとはいえないにしても、価値が社会学における研究として重要な要素の一つであることは一般的に認められている。本稿では、価値が個人的、社会的に価値志向として重要な意義を有するものであると考える。まず個人的な価値志向に関する基本的な問題は、価値の内面化と統合化、及びこれらの過程に対する現代社会の影響に関してである。次に社会に関する問題は、社会意識の多様化を起す要因とは何か、社会の統合化の度合いとは何かについてである。社会的価値志向の多様化の主要な要因として、宗教あるいはイデオロギー、職業意識、現代文化の三つの要因を検討する。個人的な価値志向については、それが直接に社会的意識の影響を受けなければ、十全に個人の力だけによって形成されるものでもない。このように、価値志向に焦点を絞ることは、同時に個人的バイオグラフィと社会的・文化的現実、及び両者の関係に焦点を当てることである。
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© 日本社会学会
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