社会学評論
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44 巻 , 2 号
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  • 米村 千代
    1993 年 44 巻 2 号 p. 102-115,241
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    従来、家や同族に関する研究では、家は、系譜関係と経営体が不可分に結びついている状態において概念化されてきた。では、経営体がその規模を拡大し、その外延が系譜関係とはもはや一致しなくなった家々はどのように把握することができるだろうか。本稿では、家々の担い手が経営体を、それでも「家」の反映として思念していたという点を豪商の家憲および家政改革の考察から指摘し、そのことを通して再編、確立されていった明治期以降の「家」がどのようなものであったのかを明らかにしたいと考える。
    結論として、次のことが示される。明治期以降の豪商層では、系譜の連続は「家」の成員によって、経営は「家」の成員ではない人々によって別個に担われていた。しかしながら、資本は「家」の成員が独占的に所有し、各経営の統轄機関としておいた合資・合名会社で経営体全体の資本を集中管理することによって、経営体全体は「家」として統轄されていたのである。明治期以降登場した所有という新しい概念を系譜と経営の問に介在させること、具体的には、継承財 (=資本) の「家」 (=統轄機関) への帰属をより徹底させることによって、「近代的」な「家」が確立されていったのである。
  • 高橋 信行
    1993 年 44 巻 2 号 p. 116-130,241
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    自己の問題は、常にシンボリック・インタラクショニズムの中心テーマであった。そしてその中で取り上げられる自己は、社会の中で、他者との相互作用を通して形成される「社会的自己」である。こうした自己論は、現在、ブルーマーに代表される立場とクーンに代表される立場に類別される。
    ここでは、クーンによって考案された、自己を経験的に把握する客観的方法である「私は誰だろう?」テストを吟味している。自己には、「I」と「me」の二側面があるというのが、ミード以来、シンボリック・インタラクショニズムが持っている観点であるが、クーンの自己論には「me」の側面しかないという批判がある。論文の中ではこのテストの意義と批判からいくつかの仮説を導き出し、検証しているが、特に、「非合意的回答」と言われる反応の分析を通して、クーンが放棄したように見える「I」の側面を見出そうとしている。
  • 小川 伸彦, 寺岡 伸悟
    1993 年 44 巻 2 号 p. 131-146,240
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    日本社会におけるマイノリティの現状と将来の考察は、社会学の重要な課題のひとつである。本稿は、あるマイノリティ組織を考察対象とし、そのエスニシティの様態を把握しようと試みるものである。
    そのための手順としてまず、対象組織の成立基盤を明らかにし、次にそのメンバーの意味世界が組織に影響を及ぼす過程を考察する。調査対象は、現在大阪に根拠を置き祖先祭祀や各種親睦活動を行っている親睦組織のひとつ、「在日光山金氏親族会」である。
    本研究で得られた知見は以下の三点である。
    (1) 血縁によって成立すべき親族会が、本国での出身地域と日本での現住地とに基づくネットワークに大きく依存して成立している。
    (2) 世代交代や会員の会への参加意図の多様化により、会の成立基盤や「親睦組織としての親族会」のイメージに揺らぎが生じつつある。
    (3) (2) への対応策として会の指導者層によって「民族」的言説が普及されつつある。
    これらの知見から、マイノリティのエスニシティを所与としてではなく、生成・変容する過程として捉える視点の有効性を考察する。
  • 場知賀 礼文
    1993 年 44 巻 2 号 p. 147-160,240
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    価値と価値志向にかかわる課題は社会学の研究において中心的な位置を占めるものとはいえないにしても、価値が社会学における研究として重要な要素の一つであることは一般的に認められている。本稿では、価値が個人的、社会的に価値志向として重要な意義を有するものであると考える。まず個人的な価値志向に関する基本的な問題は、価値の内面化と統合化、及びこれらの過程に対する現代社会の影響に関してである。次に社会に関する問題は、社会意識の多様化を起す要因とは何か、社会の統合化の度合いとは何かについてである。社会的価値志向の多様化の主要な要因として、宗教あるいはイデオロギー、職業意識、現代文化の三つの要因を検討する。個人的な価値志向については、それが直接に社会的意識の影響を受けなければ、十全に個人の力だけによって形成されるものでもない。このように、価値志向に焦点を絞ることは、同時に個人的バイオグラフィと社会的・文化的現実、及び両者の関係に焦点を当てることである。
  • 名部 圭二
    1993 年 44 巻 2 号 p. 161-176,239
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    最近の社会理論のおおきな流れは、〈意味〉をその根本概念としてすえることで、行為者が他者と相互行為をおりなす場、すなわち〈コミュニケーション過程〉についての考察を第一の課題とするようになってきていることである。われわれはここで、このような〈コミュニケーション論的転回〉の先駆者をソシュールにもとめる。ソシュールによれば、言語の〈意味〉は項と項との間の〈関係〉としてしか理解されないものであった。この〈意味〉にたいする関係主義的アプローチの正しさは、社会的行為理論の文脈のなかであらためて確認される。すなわち、行為の〈意味〉は先行する行為と後続する行為との間の〈関係〉として把握されねばならないのだ。
    以上のことをふまえて、われわれは〈コミュニケーション過程〉の一般図式を提起するが、この図式によって示そうとしているのは次のことである。行為の連鎖過程において、行為者は自らの行為とその〈意味〉について選択を行っている、ということを認めるならば、それぞれの行為の〈意味〉は一義的に決定することはできず、原理的にはつねにコミュニケーションは失効可能性に直面していること、したがってそこでの〈意味〉の決定は暫定的なものにとどまるということである。このことから、コミュニケーションが成立している状態とは本質的に、擬似的・暫定的なものでしかありえない、と結論づけられる。
  • 堤 要
    1993 年 44 巻 2 号 p. 177-187,239
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    本稿では、まずアメリカにおける古典的エスニシティ理論を時代背景も若干考慮しつつ紹介する。次に、これら古典的エスニシティ理論に異論を唱える形で展開してきた、アメリカにおけるエスニシティ理論のなかでも中心的位置を占めている四つの理論について論じていく。「国内植民地論」および「分割労働市場論」は、社会の下層部にとどまらざるを得ないエスニック集団を、「中間マイノリティ論」は、社会の中間位に適所を得たエスニック集団を分析の対象とした。「エンクレイブ論」は、移民社会内部にもホスト社会 (マジョリティ社会) に近似の階層構造が実現し得ることを示唆する。紙幅の制限もあり、周辺的な議論は割愛し理論の核となっているエスニック集団と階層構造の関連を中心にレビューした。最後に諸理論の総括のため図式化を試み、エスニック集団の占める階層的位置は、単一ではなく複数のパターンに分かれることを明らかにした。
  • 小林 甫
    1993 年 44 巻 2 号 p. 188-189
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 浜 日出夫
    1993 年 44 巻 2 号 p. 189-191
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 桜井 哲夫
    1993 年 44 巻 2 号 p. 191-192
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 神原 文子
    1993 年 44 巻 2 号 p. 193-194
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 永井 良和
    1993 年 44 巻 2 号 p. 194-196
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 柏岡 富英
    1993 年 44 巻 2 号 p. 196-198
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 1993 年 44 巻 2 号 p. 238-200
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
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