抄録
本稿は潜在クラス分析と関連する回帰分析を用いて性別役割態度の潜在クラスと社会階層との関連について日本および米国の既婚女性を分析し結果を比較する。潜在クラスについては日本では「性別役割支持型」, 「性的平等支持・職業志向型」, 「性的平等支持・非職業志向型」の3クラス, 米国では「性別役割支持・両立否定型」, 「性別役割支持・両立肯定型」, 「性的平等支持型」の3クラスが存在する事を示し, 潜在クラスの割合が本人, 夫, 父親の階層属性にどう関連しているかを明らかにする。また「性別役割支持型」対「性的平等支持型」の割合比へのそれらの属性の影響を日米で比較する。最後に分析結果の理論的意味と今後の展望を議論する。