社会学評論
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21世紀における社会学の貢献
塩原 勉
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2002 年 53 巻 1 号 p. 2-12

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抄録
近代化の科学であった社会学は, 近代からポスト近代への転換期を通じ, どのような自己革新をへて, 21世紀においてどのような役割を担うべきか.
社会学はつぎのような独自性をもっている. (1) 社会についての基礎理論の提供, (2) 社会調査による情報の組織化, (3) 関連諸科学間の橋わたしとネットワークづくり, (4) 方法論上のバランスのよさ, がそれである.
今後諸科学は「人間と社会のための科学」として社会的責任をとることが強く求められるであろう.そこで, 社会学はその独自性を活かして, 諸学が連携するように橋わたしをし, 21世紀対応の横断的・俯瞰的なネットワーク型の知の創造に対してコア・サイエンスの役割を演ずるべきであろう.
そのために, いま社会学は歴史認識と社会空間認識において, いくつかの発想の転換が必要である.
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