社会学評論
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社会構築主義における批判と臨床
小泉 義之
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2004 年 55 巻 3 号 p. 209-222

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抄録
健康と病気の社会構築主義は, 生物医学モデルを批判し, 社会モデルを採用した.そして, 健康と病気を生命現象ではなく社会現象と見なした.そのためもあって, 社会構築主義において批判と臨床は乖離することになった.そこで, 健康と病気の社会構築主義は心身モデルを採用した.心身モデルとゲノム医学モデルは連携して, 心理・社会・身体の細部に介入する生政治を開いてきた.
これに対して, 生権力と生命力がダイレクトに関係する場面を, 別の仕方で政治化する道が探求されるべきである.
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© 日本社会学会
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