放射線化学
Online ISSN : 2188-0115
ISSN-L : 0286-6722
展望・解説: ラジカル正イオン分子クラスターの赤外分光
松田 欣之藤井 朱鳥
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2018 年 105 巻 p. 3-

詳細
抄録
星間,環境,生命等の様々な化学研究分野において,光および放射線照射によって生じる分子イオンの構造や反応性,そしてその溶媒和に強い興味が持たれているが,それらの詳細を凝集相中で探ることには大きな困難がある.真空中に取り出した分子集合体である気相分子クラスターは,分光手法と理論計算の適用により,分子イオンに関する微視的情報を得ることを可能とする.近年のラジカル正イオンクラスターの研究例として,水の正イオンクラスターにおける水素結合構造の解明,プロトン性分子正イオンの半結合形成の観測,イオン化に伴うプロトン供与性の増大,そして光イオン化誘起反応における水分子の触媒効果について紹介する.
著者関連情報
© 2018 日本放射線化学会
【複写をされる方に】本誌に掲載された著作物を複写する場合は、著作権者から複写権の委託を受けている一般社団法人学術著作権協会(〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目6-41乃木坂ビル2階、電話 03-3475-5618、E-mail: info@jaacc.jp)から許諾を受けてください。ただしアメリカ合衆国における複写については、Copyright Clearance Center Inc.(222 Rosewood Drive Danvers, MA 01923, TEL: +1 978 750 8400, E-mail: info@copyright.com)へ。
https://www.jaacc.org/
前の記事 次の記事
feedback
Top