抄録
放射光の医学・生物学応用について,結晶構造解析,非結晶回折,蛍光X線分析を除く分野を概観した。話題としては,X線顕微鏡,高解像度造影観察,位相コントラストイメージング,放射線治療を取り上げた。X線顕微鏡は,近年非常に進歩して,他の顕微法と相補的なレベルにまで性能が向上し,実用的な段階になったといえる。位相コントラストイメージングは放射光の利用で急速に開発が進んだ新しいイメージング手法である。一方,まだ基礎的な生物作用研究のレベルではあるが,放射光による新しいがん治療法の開発研究も進んでいる。