日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
慢性閉塞性肺疾患患者の運動耐容能評価法としての漸増シャトルウォーキングテストの妥当性
有薗 信一北川 知佳田中 貴子大池 貴行力富 直人高橋 哲也門司 和彦千住 秀明
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2002 年 11 巻 3 号 p. 414-419

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抄録

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の運動耐容能評価法としての漸増シャトルウォーキングテスト(Incremental Shuttle Walking Test ; ISWT)の妥当性を検討するために,17例の邦人COPD患者を対象に,ISWT,トレッドミルを用いた心肺運動負荷試験,6分間歩行テストを行い,相互関係を比較検討した.ISWTの最大歩行距離と心肺運動負荷試験から得られた最高酸素摂取量には強い相関関係を認めた.また,ISWTの最高心拍数と心肺運動負荷試験から得られた最高心拍数の間にも強い相関関係を認めた.さらに,最高心拍数はISWTの方が6分間歩行テストより有意に高く,ISWTは心血管系により強いストレスをかけるテストであった.以上のことから,本邦のCOPD患者に対するISWTの運動耐容能評価法としての妥当性が確認された.

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© 2002 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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