日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
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ISSN-L : 1881-7319
11 巻, 3 号
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原著
  • 有薗 信一, 北川 知佳, 田中 貴子, 大池 貴行, 力富 直人, 高橋 哲也, 門司 和彦, 千住 秀明
    原稿種別: 原著
    2002 年11 巻3 号 p. 414-419
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の運動耐容能評価法としての漸増シャトルウォーキングテスト(Incremental Shuttle Walking Test ; ISWT)の妥当性を検討するために,17例の邦人COPD患者を対象に,ISWT,トレッドミルを用いた心肺運動負荷試験,6分間歩行テストを行い,相互関係を比較検討した.ISWTの最大歩行距離と心肺運動負荷試験から得られた最高酸素摂取量には強い相関関係を認めた.また,ISWTの最高心拍数と心肺運動負荷試験から得られた最高心拍数の間にも強い相関関係を認めた.さらに,最高心拍数はISWTの方が6分間歩行テストより有意に高く,ISWTは心血管系により強いストレスをかけるテストであった.以上のことから,本邦のCOPD患者に対するISWTの運動耐容能評価法としての妥当性が確認された.

  • 高橋 仁美, 菅原 慶勇, 清川 憲孝, 笠井 千景, 土橋 真由美, 敷中 葉月, 澤田石 智子, 加賀谷 斉, 佐藤 一洋, 伊藤 伸朗 ...
    原稿種別: 原著
    2002 年11 巻3 号 p. 420-423
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    呼吸リハビリテーションを施行して2ヵ月以上経過したCOPD患者に対して,運動耐容能に大きく影響を及ぼす因子について検討するため,一般生体特性(体重,身長など),スパイロメトリー,肺拡散能力,呼吸筋力,大腿四頭筋筋力などを横断的に測定し検討した.測定したデータを正規変換したうえで相関行列を分析し,6分間歩行距離と関連する変数を定量的に探し出して重回帰分析を行った結果,6分間歩行距離には大腿四頭筋の最大筋力を体重で除した体重支持力指数と肺拡散能力が大きく影響を与えることが明らかにされた.

  • 加藤 信秀, 内 昌之, 遠藤 剛, 毛利 奈美, 大国 生幸, 高木 啓吾, 原田 孝
    原稿種別: 原著
    2002 年11 巻3 号 p. 424-428
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    中葉切除,2葉切除を除いた肺葉切除例20症例に対して,呼吸リハビリテーションを手術直後から施行した群10例と施行しなかった群10例について術後の肺機能検査を両群間で比較検討した.肺切除術後早期において,リハビリテーション群はリハビリテーション非施行群に比べMVV(最大換気量)およびPEF(最大呼気速度)について改善傾向を示したことから術後の呼吸リハビリテーションは術後早期の呼吸機能改善に有用である可能性が示唆された.

  • ―肺結核後遺症と肺気腫の比較―
    工藤 恵子, 隆島 研吾, 飯島 節
    原稿種別: 原著
    2002 年11 巻3 号 p. 429-434
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy : HOT)患者を対象としたアンケート調査を行った.酸素の使用状況や日常生活の自立度には原疾患による差はなく,「周囲への気兼ね」や「行動制限によるストレス」を多くの対象者が感じていた.しかし肺結核後遺症の患者は,HOTをポジティブに捉えているのに対し,肺気腫の患者はネガティブに捉える傾向がみられた.心理状態と訪問看護に関わる10項目を独立変数として,肺結核後遺症患者と肺気腫患者の判別分析を行ったところ,80.8%が正しく分類された.判別に関与している説明変数は「酸素があったおかげで生きていることができた」「不摂生な生活をしていたのが悪かった」「具合が悪くなった時の緊急対応」の順であった.

  • 鈴木 幸子, 脇坂 靖美, 金森 葉子, 栗山 隆信, 大野 啓文
    原稿種別: 原著
    2002 年11 巻3 号 p. 435-439
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    在宅酸素療法患者が短期入所介護を希望した際の受け入れ状況について,大阪府下の介護老人福祉施設と介護老人保健施設を対象にアンケート調査を行った.過去の短期入所介護の受け入れ状況は,「よくある」は介護老人福祉施設は10.4%であり,介護老人保健施設は9.2%であった.また「無条件受け入れ可」は,介護老人福祉施設は18.7%,介護老人保健施設は9.2%であり,在宅酸素療法患者の短期入所受け入れについて啓発活動を行う必要性が示唆された.

  • 森槌 康貴, 津田 徹, 川俣 幹雄, 長友 寛子, 増井 太朗, 林 俊成, 岡部 由紀子, 森本 泰夫, 城戸 優光, 津田 稔, 鱒見 ...
    原稿種別: 原著
    2002 年11 巻3 号 p. 440-444
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    いびき,無呼吸,日中の眠気などを訴えて,終夜睡眠ポリグラフ検査を施行した成人男性112例を対象として,20歳時よりの体重変化とAHIの程度を検討した.

    20歳より体重変化が大きくなるにつれてAHIは高くなり(P<0.0001 : 一元配置分散分析),20 kg 以上増加した群で96%,BMIが10以上増加した群のすべてにCPAP保険適用となるAHI20以上の閉塞型睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)を認めた.しかし,体重変化の少ない群にも重症のOSAHSが認められ,加齢の影響,または解剖学的な問題により,体重増加が少なくても重症のOSAHSにいたったのではないかと考えられた.

    いびき,無呼吸があり体重増加を伴っている群に対しては,早期にOSAHSの診断,治療,減量などのアプローチをすることが,職域健診などで可能であると考えられた.

  • 古澤 智美, 村山 直美, 吉永 健
    原稿種別: 原著
    2002 年11 巻3 号 p. 445-449
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2018/08/07
    ジャーナル フリー

    1998年7月からプロポフォールを導入し,人工呼吸器装着時に持続的な鎮静が可能となった.だが,導入初期の16例中7例に褥瘡が発生した.それに対し,スタッフ間で目標とする鎮静レベルを,呼名で開眼しうなずき,自力で四肢を動かすことができる状態に統一し,プロポフォールを使用して患者状態に応じた鎮静レベルを維持したことで,30例中2例へと褥瘡発生を減らすことができた.

症例報告
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