2002 年 12 巻 2 号 p. 177-181
わが国において在宅酸素療法と在宅人工呼吸療法は保険適用を契機にその恩恵を受ける患者数は近年急増している.在宅酸素療法の適応基準は日本呼吸器学会から発表され,それに追随する形で社会保険適用となっている.しかし,最近は適応基準を満たさない症例が増加している.一方,在宅人工呼吸療法の適応(導入)基準に対する統一見解はなく,各研究者から個別に提案されているのが現状である.最近は非侵襲的人工呼吸器の普及が目覚しく,それに伴い対象疾患も従来の神経筋疾患から呼吸器疾患へと変化してきている.今後,早急な基準作りが必要である.