2003 年 12 巻 3 号 p. 398-400
急性心筋梗塞を合併した睡眠時無呼吸症候群の3例を報告した.3例とも男性で,39~66歳であった.いずれも胸痛を主訴に近医を受診し,心電図で急性心筋梗塞が疑われ当院に緊急入院した.経皮的冠動脈形成術(PTCA),冠動脈ステント留置したが,ICUに入室後,著明ないびきと睡眠中の酸素飽和度の低下を認めた.ポリソムノグラフィーを施行し,睡眠時無呼吸症候群と診断し得た.1例は口蓋垂口蓋咽頭形成術を,2例は鼻マスク式持続陽圧呼吸(nCPAP)を行い,いずれも経過良好である.睡眠時無呼吸症候群は急性心筋梗塞のリスクファクターのひとつであり,予防医学的見地からもその診断と治療は重要である.