日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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教育講演Ⅺ
乳幼児突然死症候群の新展開
―閉塞型睡眠時無呼吸の関与―
磯野 史朗
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2006 年 15 巻 3 号 p. 319-322

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抄録

乳幼児突然死症候群(SIDS)は,1歳以下の乳児が予期せず突然死亡し,その原因について病歴や死亡したときの状況,さらには病理解剖によっても明らかでない場合に診断される疾患である.近年の大規模な疫学的調査によりいくつかの危険因子が明らかとなり,それらの因子を乳児の環境から排除する国際的なキャンペーンの拡大により,先進国でのSIDSの発生率は大きく減少した.しかし,依然として多くの国では乳児の死亡原因の1~3位を占める重要な疾患である.最近の病態生理学的研究から閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)がSIDS発症に関与することが強く示唆されている1).本稿では,どのようなメカニズムがOSAがSIDS発症につながる可能性があるのか,私見を含めて文献的考察を行う.

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© 2006 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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