日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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イブニングセミナーⅡ
無呼吸患者における炎症性サイトカインと接着分子の上昇は動脈硬化に重要である
寺本 信嗣
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2006 年 15 巻 4 号 p. 541-546

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抄録

腫瘍壊死因子とinterleukin-6 は体格指数と正の相関があるが,無呼吸患者でさらに上昇する.これらは,内臓脂肪肥満,インスリン抵抗性とも関連する.また,接着分子ICAM-1,高感度CRPの上昇がみられる.血管内皮からの一酸化窒素の産生も低下する.これらは,内皮傷害,炎症性細胞の遊走と接着を介して動脈硬化を促進する.重要なことは無呼吸の治療,経鼻陽圧持続呼吸法(nCPAP)がこれらを改善することであり,nCPAPは抗動脈硬化作用を有する可能性がある.

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© 2006 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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