日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
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原著
大規模自然災害が在宅酸素使用患者に及ぼした影響
―平成16年新潟豪雨・中越地震の経験から―
谷内田 容子佐藤 英夫岩島 明河辺 昌哲本間 ひろ子神保 恵子中山 秀章下条 文武長谷川 隆志鈴木 栄一
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2006 年 15 巻 4 号 p. 641-645

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抄録

新潟県中越地域では平成16年度に,河川氾濫を伴う水害と最大震度7の大地震を経験した.災害時の在宅酸素療法(HOT)患者の安否確認,避難状況・HOT機器の対処や酸素プロバイダーとの連携について当時のカルテ・連絡資料と患者からの聞き取り調査を行い検討した.患者の安否確認は主にプロバイダーによる電話または直接訪問で行われた.多数のHOT患者が近隣の学校やコミュニティーセンターへ避難しており,避難先へのボンベ追加・濃縮器仮設で避難時を乗り切っていた.大規模災害時には避難先で酸素供給が継続できるようにプロバイダー・訪問看護等との連絡体制を確保し意思疎通を図ることが重要であった.安否確認連絡は,被災・避難患者の孤立感の軽減に有効であった.

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© 2006 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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