日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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症例報告
介助者との交流がスピリチュアルペイン類似の苦痛消失に役立った慢性呼吸不全の1例
有田 健一菅原 文博塩見 桂史梶原 俊毅三戸 晶子新田 朋子山崎 正弘大橋 信之
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2007 年 17 巻 3 号 p. 291-294

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抄録

症例は84歳の男性.肺結核後遺症による慢性呼吸不全の急性増悪時に自己の存在と意味の消滅に起因するスピリチュアルペイン類似の苦痛を生じた.病状の改善に加えて外国人介助者との人間的な交流が新たな自己の存在と意味を見い出すきっかけを与えることになり,この苦痛は消失した.慢性呼吸不全増悪時にはこの種の苦痛に対する対応が必要となる場合があり,その対応を評価することは医療の質を考えるうえで大切である.

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© 2007 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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