2008 年 18 巻 3 号 p. 209-212
高齢者肺炎の特徴は,慢性的な基礎疾患を有すことが多く,潜在的臓器機能低下が肺炎の難治化および重症化の重要な因子である.
また,これら高齢者肺炎で重要な位置を占めているのが誤嚥性肺炎であり,その病因には神経疾患,寝たきり状態など多くの病態が関与している.
誤嚥性肺炎の発生には,嫌気性菌を含む複数の菌によることが多く,病態が複雑であることが多いため,抗菌療法においてはこれら高齢者の病態を十分に考慮したうえで適正な抗菌療法を行わなければならない.