抄録
COPD(慢性閉塞性肺疾患)およびARDS(急性呼吸器窮迫症候群)患者に対する栄養管理の必要性が徐々に注目されるようになってきた.そこで,これまでの患者の予後およびQOL改善に関する栄養管理のエビデンスについて評価した.その結果,n-3多価不飽和脂肪酸(n-3PUFA)投与により,COPD患者の運動機能の低下,乳酸産生の増加,クレアチンリン酸の低下を示し,またARDS患者の死亡率や新規臓器不全の減少,ICU期間や人工呼吸を必要とする期間を短縮させた.今後は,n-3 PUFAのCOPDおよびARDSに対する効果をさらに検証していくことが重要と思われる.