抄録
プレパレーションとは,絵本や人形,紙芝居などを用い,子どもが理解できる言葉を使って,病気や治療・処置をゆっくりとわかりやすく説明し,不安や緊張を和らげ,心の準備をつくることをいう1).一方,小児在宅療養が推進されるなか,人工呼吸管理を行いながら自宅で生活する乳幼児期の神経筋疾患患児が増加している2).平成22年度診療報酬改訂では,器機による咳介助が,在宅で人工呼吸を行う神経筋疾患患者において保険診療に認定され,器機の今後の適切な活用が期待されている.そこで,本稿では,幼少児への安全で効果的な器機による咳介助やNPPV導入を目指し,プレパレーション・ツールとして制作した絵本と絵カードを紹介するとともに,呼吸ケアにおける今後の課題を述べる.