日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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教育講演Ⅴ
慢性閉塞性肺疾患(COPD)における栄養リハビリテーションの意義とその実践
塩谷 隆信佐竹 將宏玉木 彰菅原 慶勇高橋 仁美本間 光信
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2011 年 21 巻 3 号 p. 175-185

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抄録
COPD患者では高頻度に栄養障害が存在し,呼吸機能,感染防御能,運動耐容能の低下に深く関与し,さらに予後とも関連している.こうしたことから,栄養療法は,COPD治療・管理における重要な治療戦略と考えられている.栄養療法は,栄養アセスメントに始まり,栄養指導,栄養補給療法などがNSTを中心として栄養リハビリとして包括的に実施される.しかし,COPDの栄養療法に関するメタアナリシスでは,栄養補給療法単独での十分な有用性は確認されていない.
近年の栄養学の進歩により,抗炎症作用を有する栄養補助食品およびBCAA強化補助食品などが開発されている.また,栄養療法と運動療法の併用の有用性などが報告されてきた.今後,わが国においては,多施設多数例における栄養補給療法や栄養リハビリに関する臨床研究が行われ,その成績を基にして,COPDにおける栄養療法が日常診療の場で,いっそう普及することが期待される.
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© 2011 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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