抄録
人工呼吸器関連肺炎(Ventilator-Associated Pneumonia:VAP)は肺炎のなかでもきわめて重篤な疾患である.臨床症状と微生物学的検査等から迅速に診断し,適切な治療を行うことが重要である.VAPの合併により死亡率や入院期間,医療費が増加することが知られており,発症予防が特に重要である.呼吸ケアチームが人工呼吸器管理下の患者を定期的に診察し,医療者に適切な指導・助言を行うことにより,VAPの減少や人工呼吸器装着期間の短縮,再挿管率の減少など,患者の生命予後を改善することが診療の基本となろう.