日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウムIV
肺がん患者を外来・在宅で支える
近藤まゆみ
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2012 年 22 巻 3 号 p. 313-315

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抄録
近年,治療や療養の中心は入院から外来や在宅の場へ移行しており,患者や家族はみずから病気や症状に対応しながら生活することが求められるようになった.特に,治療による有害事象の管理は,患者や家族の治療に対する主体的な取り組みに影響し重要である.また,病気の進行による苦痛症状への対処は,在宅療養の継続に影響することも多い.そのため外来や在宅ケアにおいては,その人が必要な情報を得て,セルフケアへの意欲や力を高めるための支援,これまでの生活を維持できるような調整,効果的なチーム医療への取り組みが求められる.
肺がんの進行状態によっては,終末期に近づいた時期に病状が急激に悪化する場合と,比較的早い時期から骨転移などでADL(日常生活行動)が低下する場合があり,その経過に合わせたケアが必要である.肺がん体験者は病気体験を通して自分の価値観や信念を見詰めている.自己擁護の力を上手く発揮できるような支援が求められる.
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© 2012 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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