日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ミニレクチャー
神経筋疾患呼吸管理の展開
──地域住民参加型呼吸ケア・リハの実際──
小林 義文野村 明子
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2012 年 22 巻 3 号 p. 378-380

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抄録
筋萎縮性側策硬化症は,代表的な進行性神経筋疾患であり,およそ発症3年以内に呼吸筋弱化により人工呼吸器を装着する.その後,家族に痰の吸引をはじめとした介護が多大な負担をかけるようになるため7割以上の患者が人工呼吸器装着を選ぶことなく最後の時期を迎える.
それまでの頻回な吸引負担を劇的に軽減する,吸引用のカニューレと低量持続吸引が可能な吸引器がともに2010年8月に薬事承認を取得し,臨床応用が開始された.同11月に,北陸地方で初めて富山県でこのシステムが導入された.その3ヵ月後には同じ富山のALS患者が使い始め,1年後に福井と富山をネットで結んで患者会同士で新しい痰の吸引システムについてネット講習会を開催した.ここから一気に同システムが福井に広がり始めた.
この北陸地区で専門家と患者会が共同し実践した,ユニークな在宅人工呼吸器療法ケアシステム展開方法を紹介する.
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© 2012 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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