日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
シンポジウムIII
RST活動におけるオーラルマネジメントの重要性
岸本 裕充
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 23 巻 1 号 p. 31-36

詳細
抄録
RST(呼吸サポートチーム)の活動目標の一つにVAP(人工呼吸器関連肺炎)の予防がある.口腔ケアがVAPの予防に寄与できるとの期待から,RSTに歯科専門職が加わる施設も増えてきた.
RST活動において,歯科衛生士が対象患者の口腔清掃をして回る,という介入は,短期的には口腔衛生状態の向上やVAP発症率の低下,というような成果を得られる可能性もある.しかしながら,本来患者のケア全般を担う看護師が,口腔ケアに関しては歯科に依存,さらには丸投げ,というような弊害を生むリスクもある.そこで本院では,看護師らが口腔清掃(=狭義の口腔ケア)だけでなく,口腔を適切にアセスメントし,歯科治療の必要性がないかなどを判断できるようになることを目指して看護師らにアドバイスする,という「オーラルマネジメント」を意識して活動し,成果を上げてきた.このオーラルマネジメントの概念を全国に普及させていきたい.
著者関連情報
© 2013 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top