抄録
大阪市天王寺区では大阪赤十字病院を中心とした病薬連携の会を通して,吸入指導の統一化,服薬情報提供書を連携ツールとした患者情報の共有が始められている.吸入服薬アドヒアランスの得にくい症例への連携での対応,病薬連携の会で実施したアンケート結果による天王寺区の現状について報告する.2008年より大阪赤十字病院と服薬情報提供書を活用した病薬連携を開始した.病薬連携の会アンケート結果より「服薬情報提供書」は保険薬局薬剤師と処方医との情報交換に有用で,使用して良かった(90~95%)との高い回答が得られている.服薬情報提供書を通した情報提供数の増加と吸入指導の地域内統一化について要望が多く得られた(73~81%)ことから,大阪赤十字病院の吸入指導書を基に「吸入服薬情報提供書」を作成,新たな連携ツールとして運用が始まっている1,2).
大阪府ではさまざまな地域で病薬連携が行われている.今後各地域との交流を通じツールの共有化を図ることで,病薬連携の輪を大阪府全域に広めていくことが必要と思われる.