抄録
呼吸療法サポートチーム(RST)は人工呼吸の安全管理で期待されているが,定義や活動内容が定まっておらず,また有用性に関するデータが十分でなく,診療報酬もその活動に見合わないなどの問題を有する.これに対し日本呼吸療法医学会と日本呼吸ケア・リハビリテーション学会は合同でRST活動を支援する「RSTプロジェクト」を立ち上げ,まず現状把握のためのアンケート調査を行った.その結果RSTは大規模病院を中心に約6割の施設で行われ,勉強会の実施や病棟ラウンドなどを中心に活動を行っていること,医療安全が重視されるものの専任スタッフの配置はほとんどなく,マンパワー不足や適任者の選定,上層部の理解不足などが設立の障害であることが明らかとなった.また全体の2/3で呼吸ケアチーム加算が申請されていたが,反対に申請しない理由としてRSTが教育や長期人工呼吸管理のサポートなど診療報酬の条件に合わない活動を行っていることが示された.