抄録
RST(respiratory support team)は,呼吸機能に障害をもつさまざまな患者に対して学際的な手法でより良いケアを提供するための手法の一つである.日本において,伝統的な父権主義と各専門職の独自性により分散した呼吸ケアに関するマンパワーと知識を統合するために全国の施設で自発的に始まり,2010年から診療報酬の算定が行われるようになった.RSTとして活動するには医師の存在が不可欠である半面,組織としてのリーダーシップを発揮できる人物であれば他の職種がリーダーを務めることも可能である.なかでも認定看護師はRSTメンバーであることが多い存在であり,またその養成課程においてリーダーシップを学んでいる面からもリーダーとしての役割が期待される.