日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
原著
気管支喘息患者における吸入デバイスと吸気流速の関係
大江 元樹日比野 真赤澤 賢一郎引野 幸司
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 23 巻 3 号 p. 288-292

詳細
抄録
気管支喘息の治療の中心である吸入ステロイドのデバイスには,主にディスカス製剤とタービュヘラー製剤と構造の異なる2種類がある.構造上の違いにより,それぞれの適切な吸気流速には違いがある.通常の吸入指導では,ディスカス群で5.6%,タービュヘラー群で77.7%が至適吸気流速に達していない.ディスカス群では,60歳以上あるいは治療ステップの重症度に比例して,吸気流速が低下する傾向にある.より吸気抵抗の高いタービュヘラー群でも同様の傾向が予想される.この結果を踏まえ,吸入ステロイドを初回導入する場合は,IN-CHECKTMなどの吸気流速測定器を用いて,適切な吸気流速の指導を行うことが重要である.また,現在喘息のコントロールが不良の場合,一度吸気流速を測定してみることも大切である.
著者関連情報
© 2013 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top