2015 年 25 巻 1 号 p. 5-10
慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease; COPD)患者における生存率と関連する身体活動量(Physical Activity; PA)は,3軸加速度計により詳細な調査が可能である.本邦で開発されたActivity monitoring and evaluation system(A-MESTM)により,安定期COPD患者のPAを横断的に調査した結果,1日の歩行時間や姿勢変換回数は健常者と比較して有意に減少していた.我々は,低強度運動療法を主体とした在宅中心の呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)によるPAに対する単独効果,さらに歩数計を用いたフィードバックによるアプローチを併用した上乗せ効果を検討した.結果,呼吸リハ単独により歩行時間の増加が確認され,歩数計によるフィードバックを併用することで,歩行時間に更なる増加がみられた.以上より,PAに対する呼吸リハの効果と直接的に改善させる介入方法としての新たな可能性が示唆された.