日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
教育講演V
ネーザルハイフロー療法の適応と限界
富井 啓介
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2015 年 25 巻 1 号 p. 53-57

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抄録

ネーザルハイフロー(NHF)は患者の一回換気量や呼吸数の影響を受けずFiO2をある程度一定に保ちながら,上下気道の死腔に溜まった呼気ガスを鼻腔内への高流量ガスで洗い出し,死腔換気量を減少させることで,呼吸仕事量を減らすことができる.また口を閉じれば気道をある程度陽圧に保つこともできる.さらに加温加湿器と熱線入り回路で37℃相対湿度100%の混合ガスを供給でき,快適性と気道の粘液線毛クリアランスを維持し排痰を促すことができる.
このような利点から高い陽圧を必要としない酸素投与全般,すなわち高圧PEEPを必要としないⅠ型呼吸不全や積極的な換気補助を必要としない軽症のⅡ型呼吸不全などが適応となる.多くの場合NPPVの前段階もしくは離脱期に使用され,会話,飲食,排痰,リハビリなどが可能で一般病棟でも実施できるが,終末期を除いて改善が得られない時はNPPVのすぐ開始できる環境での実施が望ましい.

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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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