2016 年 26 巻 2 号 p. 213-218
COPDの管理において身体活動性が重要とされ,予後に影響するとの報告もある.一方で日常臨床において,簡便に身体活動性を評価する方法は限られている.身体活動性チェックシートは,活動可能な項目をチェックするのみで身体活動性を推測できる簡易な質問票である.今回我々は身体活動性シートとCATスコア,呼吸機能,修正MRCとの関連を検討し,日常臨床での指標になり得るか否かを検討した.その結果,身体活動性シートはCATとは弱い負の,1秒量,最大吸気量とは弱い正の相関を示した.CATが10点以下の群においても,身体活動性シートでは活動性が低下している症例も認めた.また,身体活動性中強度可能群では,高強度可能群と比較して,有意に呼吸機能の低値やCATスコア高値を認めた.以上より,身体活動性シートは日常臨床での有用性が期待され,さらにCATではとらえきれない活動性低下を簡便に推測できる可能性があると考えられた.