日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
ハイフローセラピーの装着感及びスキントラブルの実態
今戸 美奈子北 英夫鳳山 絢乃祖開 暁彦後藤 健一深田 寛子田尻 智子中村 保清
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2018 年 27 巻 2 号 p. 163-167

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抄録

【背景】ハイフローセラピー(HFT)の快適性に関する報告は蓄積されてきているが,実際にはHFTに伴う苦痛の訴えやスキントラブルを経験することが少なくない.

【目的】当院でHFTを実施した患者の装着感およびスキントラブルを診療録より後ろ向きに検討した.

【方法】2013年5月から2016年1月にHFTを使用した70名の診療録より疾患やHFT使用日数,HFTに関して記載された患者の訴えや観察内容を抽出して分類した.

【結果】HFT使用日数は平均8.8日,HFTの装着感は<以前のインターフェイスより快適><高流量による鼻腔内の違和感・疼痛><高流量による圧迫感>等,10のカテゴリに分類された.スキントラブルは14名(20%)に認めた.不快感やスキントラブルが原因でHFTを中断した例はなかった.

【考察】HFTの中断には至らないものの苦痛を伴う患者も存在するため,安全で快適な治療継続には患者への説明やトラブルの予防的ケアが重要である.

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© 2018 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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