2018 年 27 巻 2 号 p. 199-201
重症心身障害児(者)(重症児者)を対象とした機械による咳介助(MI-E)及び徒手介助併用の機械による咳介助(MAC)の有効性は,報告数がきわめて少なく十分に検証されていない.今回,当院短期入所中に右上腕骨骨幹部骨折を受傷し右側臥位が制限された重症児に対して,MACおよび可能な範囲の体位ドレナージを肺炎治療に併用し,その経過を検討した.
症例は,気管切開下陽圧換気管理の18歳の男性で,溺水後遺症による重症心身障害児.右上腕骨骨折後に肺炎及び無気肺を認めた.当患者に対して,MACおよび可能な範囲の体位ドレナージを肺炎治療に併用した.左肺を中心とした広範な無気肺は,最終的には合併症なく改善が認められた.
骨折により体位が制限されることは,肺炎や無気肺に繋がる可能性がある.重症児者の呼吸ケアにおいてMACと体位ドレナージの併用は,肺炎治療の一助になることが示唆された.