2018 年 27 巻 3 号 p. 290-293
近年,COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者において,長期NIV(非侵襲的換気療法)導入後のPaCO2(動脈血二酸化炭素分圧)の低下の重要性が指摘されている.我々は長期NIV導入6ヶ月後のdaytime PaCO2は低い方が致死性急性増悪の率が低く生命予後が良いこと,さらにNIV導入後に下がったdaytime PaCO2を長期的に維持していくことがより重要であることを報告している.
COPD患者に限らず,2型慢性呼吸不全患者においては,NIVの各種設定条件や,付加する酸素流量を決定するために,睡眠中のPtcCO2(経皮的二酸化炭素分圧)を測定することは極めて有用である.
我々はLTOT(長期酸素療法)・NIV併用している患者において,様々な酸素流量で積極的に夜間のPtcCO2を測定し,酸素流量決定のための重要な臨床情報としている.