日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
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原著
「成人気管支喘息発作救急外来アルゴリズム」導入の効果
尾崎 恵子宇津木 光克武井 深雪松崎 晋一
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2018 年 27 巻 3 号 p. 312-317

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抄録

当院では救急外来における気管支喘息発作治療の標準化を目的に「成人気管支喘息発作救急外来アルゴリズム」を運用しており,アルゴリズムの効果と課題を見出す目的でアルゴリズム導入前後1年間の診療状況を調査した.救急外来を受診し帰宅可能となった喘息発作症例において,アルゴリズム導入後では85.7%に経口ステロイド薬が処方され,導入前の44.8%と比較し有意に増加していた.特に呼吸器非専門医においてその傾向は顕著であった(25%から86.7%へ増加).さらに呼吸器非専門医において,67%の症例で直近の当院呼吸器外来への予約が取得されており,呼吸器専門医への連携も確立された.一方,アルゴリズムではかかりつけへ医へのフォローアップを依頼する場合の診療情報提供書作成を盛り込んでいたが,多くが口頭での受診指示のみであり,病診連携構築のための情報交換ツールが必要であると考えられた.

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© 2018 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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