肺移植に至るには移植待機期間における身体機能の維持が重要であるが,移植待機患者の身体機能の経過やリハビリテーション(リハ)の影響についての報告はない.今回,肺移植待機期間にリハを行った肺リンパ脈管筋腫症症例を経験したので身体機能や日常生活動作(ADL)の推移などについて報告する.40歳代女性.肺移植登録後に複数回の入退院を繰り返し,その度に包括的なリハ介入を行った.初回入院時より重度の呼吸機能障害,身体機能の低下を認めた.移植待機期間中,経過とともに病態は進行し,運動耐容能や筋力は低下した.一方,骨格筋量,栄養状態は維持され,各退院時のADLは自立した状態にあり,最終的には肺移植に至った.また,入院期間の前後で膝伸展筋力は維持および向上する傾向が認められ,リハ介入の有効性が推察される.