日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウム
病棟スタッフのコンピテンシー
―RSTによる教育活動から見えてきたもの―
濱本 実也谷口 奈穂福家 寛樹伊東 裕子春田 良雄横山 俊樹長谷川 隆一
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2020 年 29 巻 1 号 p. 16

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2005年2月に呼吸サポートチーム(RST: Respiratory support team)が発足し,病棟スタッフの知識と技術の向上を図るために,様々な教育活動を展開してきた.2005年~2016年に企画した院内教育は約130回(年平均10回)であり,2013年には「人工呼吸療法に関する知識は,看護師全員が身につけるべきもの」というコンセンサスを得て,現在RSTの研修は看護師ラダー教育の一端を担っている.(看護師はクリニカルラダーに沿ってステップ・アップするため,RSTの研修を受講しなければラダーを上がることができない.)講義形態は実技,アセスメント,そしてシミュレーションへと大きく変容してきているが,その背景には受講生のレディネス,ニーズだけでなく,ヒヤリ・ハットなどの安全上の問題などがある.常に患者の側に位置し,日常生活だけでなく医療行為やリハビリテーションなどを含め患者を「面」で支える看護師,トラブルにも最初に直面する看護師だからこそ,身につけなければならない能力がある.それこそが病棟スタッフが獲得すべきコンピテンシーであり,私たちが目指す教育の成果であると考えている.

RSTでは,教育の評価として,受講生の満足度,研修後の変化,問題への気付きの早さなど,多角的な評価を試みている.今回,これまでの活動と評価結果を題材に,病棟スタッフのコンピテンシーについて検討した.

著者のCOI(conflict of interest)開示

本論文発表内容に関して特に申告すべきものはない.

 
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