日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウム
呼吸ケア指導士のコンピテンシー
長谷川 智子
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2020 年 29 巻 1 号 p. 9

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呼吸ケア指導士は呼吸障害をもつ人々の継続的ケアをチーム医療の中で実践するべく,呼吸に関する知識と技術の向上をはかり,疾病への切れ目のない最適な支援を提供する者である.また,チーム医療の質の向上を図るべく,多職種に最新医療情報の提供も行う.対象は医師,歯科医師,看護師,准看護師,理学療法士,作業療法士,栄養士・管理栄養士,薬剤師,放射線技師,言語聴覚士,臨床工学士,臨床検査技師,介護福祉士,その他の呼吸ケア領域で専門職種として活動できる立場の者であり,呼吸ケアに関わる様々な専門職者が取得することができる.呼吸ケア指導士には初級と上級があり,取得の条件は,初級では本学会に3年以上会員を継続しており,且つ本学会の規定する研修等の単位を50単位取得することとなっている.また上級では,会員歴が5年以上で400点以上の研修単位が必要となる.取得単位の例としては,本学会学術集会に参加すると15点,加えて筆頭演者として発表すると15点,つまり参加と発表で合計30点となる.呼吸ケア指導スキルアップセミナーに1日参加すると10単位が認められる.また,本学会誌や日本呼吸器学会などの学術論文の筆頭著者になると20単位,共著者になると10単位が認められる.初級者は基本的な知識と技術を取得し,標準的な呼吸ケアを提供できる能力を有する者であり,適切な患者教育を実施することができる.上級者では,より専門性の高い知識と技術を有し,水準の高い呼吸ケアを提供できることに加え,関連医療者を指導できる能力を有する者であるため,所属施設や地域の指導者となれる者である.この認定は5年間の期限付で更新制となっているため,5年期間の終了前の4年目に,その期間で得た単位の取得証明をすることで更新することができる.つまり,継続してセミナーや学会に参加したり,教育・研究活動を行うことが呼吸ケア指導士としての条件となっている.

著者の COI(conflicts of interest)開示

本論文発表内容に関して特に申告すべきものはない.

 
© 2020 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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