エンド・オブ・ライフケアは,生が終わるときまで最善の生を生きることができるように支援することである.最善の生とはその人の価値観に基づいた生き方を指し,エンド・オブ・ライフケアのプロセスとして意思決定支援は重要であり,アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning: ACP)が推奨されている.しかし,医療者のACPの障壁により,差し迫った状況で行われたり,終末期医療について代理決定者に委ねられることが多い.
終末期は,患者にとって人生の集大成の貴重な時間であり,差し迫った状況においても患者が自己の存在意義を認識し,真の意思決定により望む生を生きることができるように支援することが重要である.
エンド・オブ・ライフケアの実践は,疼痛・症状マネジメント,意思表明支援,治療の選択,家族ケア,人生のQOL,人間尊重の6つの要素で構成されており,これらを念頭にテーラーメイドなケアを創造し提供することが重要である.