高齢者肺炎患者において入院中の体重減少と臨床的アウトカムの関連性は明らかにされていない.当院へ入院となった高齢者肺炎患者100名を対象に入院中の体重減少と日常生活動作(ADL)能力及び肺炎再入院の関連性を検討した.入院中の体重減少が10%以上の体重減少群では,Functional independence measure(FIM)効率・FIM effectivenessといったADL改善を示す指標が有意に低く,また肺炎再入院までの日数が有意に短かった.さらに,体重減少率とFIM効率・FIM effectivenessといったADL改善を示す指標には有意な負の相関関係を認めた.高齢者肺炎患者において入院中の体重変化を細かくモニタリングすること,また体重減少を抑制する為に薬物療法だけでなく栄養療法を含む呼吸リハビリテーションといった包括的治療戦略が重要である.