2023 年 31 巻 3 号 p. 340-344
【目的】老健施設入所者を対象にExpiratory Muscle Strength Training(EMST)の嚥下機能の1つである口腔機能への影響を中心に調べること.
【方法】老健施設入所者の女性14名に最大呼気圧(PEmax)の30%負荷で4週間のEMSTを行い,口腔機能としての舌圧,オーラルディアドコキネシス(OD),認知機能のmini mental state examination(MMSE),摂食状況のFunctional Oral Intake Scale(FOIS)の変化を調査した.
【結果】EMST後に舌圧とODのカの回数の有意な増加を認めた.MMSEの点数は有意に高値となった.FOISに変化を認めなかった.
【結論】EMST後の舌圧,OD,MMSEの変化より女性の老健施設入所者ではEMSTにより口腔機能は向上する可能性が示唆された.