2024 年 32 巻 3 号 p. 267
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,国内初の報告から約1年経過しており,世界の総罹患者数は1億人を大きく超え,死亡者数も400万になろうとしている.日本では罹患者数70万人,死者は1万4千人を超え,2020年4月,2021年1月に続いて3度目の緊急事態宣言が発令され,ようやく罹患者数の減少傾向が明らかになったところである.
今回,呼吸ケアリハ学会学術講演会における第7回呼吸ケア指導スキルアップセミナー(2021年3月18日開催)で,「COVID-19の最近の知見」について発表した.日々変化する診療状況,研究成果による新たな知見に合わせて,最新情報をお伝えした.特に,COVID-19変異株について,重症度別進行パターン,臨床経過と病態から考える治療戦略,重症化リスク因子,国内で使用できる治療薬,今後期待される薬剤,抗凝固療法による血栓対策,呼吸管理,ワクチンの最新情報などについてお話した.COVID-19に関しては常に最新情報が求められることから,2021年3月時点での発表内容の詳細報告は割愛するが,今後さらにエビデンスが蓄積され,収束に近づいていることを切に願っている.
寺田二郎;研究費・助成金などの総額(帝人ファーマ株式会社;千葉大学真菌医学研究センター呼吸器生体制御学共同研究部門における共同研究「難治性呼吸器疾患および肺胞低換気症候群(睡眠時無呼吸症候群を含む)に関する基礎的・臨床的研究を基盤とした治療戦略の構築」について)