日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
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32 巻, 3 号
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スキルアップセミナー
  • 寺田 二郎
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2024 年 32 巻 3 号 p. 267
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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  • 古川 誠一郎, 今井 正太郎
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2024 年 32 巻 3 号 p. 268-273
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    当院では2020年2月からCOVID-19患者の受け入れを開始して,同年4月に院内の体制を整備してリハビリテーションを開始した.COVID-19に対するリハビリテーションの実施にあたっては,考えうる万全の感染対策をして臨むことが必要であり,この中には人員配置,環境調整,PPEの選択やPCR検査などを含み,これらを各医療機関の実情に合わせてきちんと運用することが必要であると強調されている.実際の診療にあたってはフェノタイプの存在や高い呼吸努力による増悪の可能性,あるいは心機能の変動や神経症状の出現などの合併症に配慮しつつ,通常の呼吸リハビリテーションとして実施される.一方,COVID-19の後遺症への社会的なフォローアップ体制はいまだ十分とはいえず,多職種・多施設間にわたる情報の連携を密にすることが必要と思われる.

  • 春田 良雄
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2024 年 32 巻 3 号 p. 274-280
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    人工呼吸器は肺での換気が不十分な時に,機械的に換気を補助する機械です.その効果としては肺胞換気量の維持や呼吸仕事量の軽減,ガス交換能の改善が得られます.人工呼吸器には肺にガスを送るための方法である換気モードがあります.個々の換気モードには特徴があり,患者さんの状態,肺,胸郭,気道の状態で換気モードの使い分けが必要となります.

    人工呼吸器の画面には,換気モードや設定,患者さんの換気状態はセンサーで測定され数値化して表示されています.そして,気道内圧,流量(フロー),換気量の変化を経時的に波形として描き出し,グラフィックモニターとして換気状況を視覚的に把握することができます.人工呼吸中のトラブルは,患者さんの換気を止めてしまうこともあり得るため,早急なトラブル回避が必要となります.グラフィックモニターではトラブル発生時に波形の変化が現れ,アラームメッセージとともにトラブルを回避のヒントになります.

  • ~導入から管理まで~
    門脇 徹
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2024 年 32 巻 3 号 p. 281-287
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    非侵襲的陽圧換気療法(non-invasive positive pressure ventilation: NPPV)は気管挿管せず,マスクを介して経気道的に陽圧をかける換気療法であり,現在では急性呼吸不全・慢性呼吸不全を問わず第一選択の人工呼吸法である.本セミナーではNPPVの導入から管理において必要なNPPVの「イミ(意味)」・「マスク」・「モード」・「ハンイ(治療適応範囲)」について概説したものである.

  • 野口 裕幸
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2024 年 32 巻 3 号 p. 288-292
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    酸素療法は低酸素症に対して日常的に行われている治療法の一つである.デバイスは低流量システム,高流量システム,およびリザーバシステムに分類される.低流量システムには,患者の1回換気量以下の酸素ガスを供給する方式で,鼻カニュラや簡易酸素マスクなどがある.高流量システムは,患者に1回換気量以上の酸素ガスを供給する方式で,ベンチュリーマスク,高流量鼻カニュラなどがある.また,リザーバシステムとは呼気時の酸素をリザーババッグ内に貯め,次の吸気時に貯まった酸素を吸い込む方式で,リザーババッグなどがあげられる.

    それぞれの特徴を理解し,適切に選択し,適切な管理を行うことで,合併症を回避し,安全に管理しなければならない.

  • 大島 洋平
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2024 年 32 巻 3 号 p. 293-295
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    呼吸器疾患患者のケアやリハビリテーションを実施するにあたり,肺さらには肺葉がどこに位置するのか,また,呼吸運動の駆動源となる呼吸筋にはどのようなものがあり,どのようにしてその活動を評価するのかを理解しておくことが重要である.本解説では,臨床的に重要な体表の目印(ランドマーク)から肺の位置を推定する手順を理解し,呼吸筋の活動を評価できるようになることで,呼吸器疾患患者の病態の把握や治療介入,効果判定の際に活用できる技術を習得することを目標としている.

  • 佐野 裕子
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2024 年 32 巻 3 号 p. 296-300
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    コンディショニングとして位置づけられている呼吸介助(法)は,理学療法士や看護師らによって多くの臨床場面で実施されている.対象者の胸郭を呼気時に直接介助するこの手技は,換気の改善,呼吸仕事量の軽減,気道内分泌物の移動,呼吸困難の緩和,胸郭の運動性改善・維持などの効果が期待される.排痰目的のスクイージングとは一線を画す.適応はCOPDなど慢性呼吸器疾患の急性増悪時や安定期,周術期や神経筋疾患など多岐にわたる.呼吸介助を効果的に実施するためには対象者の呼吸パターン,胸郭柔軟性などの評価を行い,胸郭の生理的運動に一致する方向に介助を加えることや,呼吸パターンに合わせるタイミング,疼痛や不快感を与えない介助の強さ(圧)など,いくつかの押さえるべきポイントがある.胸郭の柔軟性を活かして実施する本手技は,肋骨骨折などのリスク管理と併せて,スタッフ間で繰り返し練習し,技術の向上に努めることが肝要である.

  • 竹内 万里子, 今村 創
    原稿種別: スキルアップセミナー
    2024 年 32 巻 3 号 p. 301-305
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    呼吸器疾患評価の基本であるフィジカルアセスメントを含めた理学療法評価から,コンディショニングや運動療法プログラムを立案した.病期に合わせたプログラム構成やチーム医療を行い,自己管理能力が向上した症例を報告する.症例1は急性期であり,非侵襲的陽圧換気療法にて換気補助されていた.最重症の慢性閉塞性肺疾患であり,コンディショニング中心に病棟と連携して日常生活活動を拡大した.症例2は回復~維持期であり,繰り返す急性増悪と疾患に対する不安に対して呼吸リハビリテーションおよびセルフマネジメント教育を実施した.患者と問題点の共有や目標設定をし,多職種で包括的にアプローチした結果,セルフマネジメント行動へとつながった症例である.

教育講演
  • 仲村 秀俊, 正木 健司
    原稿種別: 教育講演
    2024 年 32 巻 3 号 p. 306-312
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    埼玉医科大学病院外来通院中のchronic obstructive pulmonary disease(COPD)およびハイリスク患者(n=36)において,二重標識水(doubly labeled water: DLW)法により総エネルギー消費量(total energy expenditure: TEE)を,間接熱量測定法により基礎代謝量(basal metabolic rate: BMR)を測定した.COPD患者でもBMRの増加はみられなかったが,Physical activity level(PAL=TEE/BMR)は重症・最重症では低下傾向を認めた(1.67).また,PALは軽強度および中強度の歩行以外の活動時間(p<0.01),6分間歩行距離および握力(p<0.001)と良好な相関を認めた.さらに,運動以外の身体活動量(nonexercise activity thermogenesis: NEAT)の評価法としてNEAT質問票が,エネルギー摂取量の推定法としてbrief-type self-administered diet history questionnaire(BDHQ)質問票が有用な可能性が示唆された.

原著
  • 三木 啓資, 辻野 和之, 福井 基成, 北島 尚昌, 宮本 哲志, 三橋 靖大, 長田 由佳, 新居 卓朗, 松木 隆典, 橋本 尚子, ...
    原稿種別: 原著
    2024 年 32 巻 3 号 p. 313-318
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
    [早期公開] 公開日: 2023/11/21
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    背景:これ迄,COPDは末梢気道閉塞によるとされ,須らく吸入薬中心に治療がなされるも十分な運動耐容能獲得には至っていない.我々は,COPDに対する呼気圧負荷トレーニング(EPT)効果を多施設無作為化コントロール比較試験で検証し,全病期のCOPDで,EPT後の運動耐容能改善を報告した.

    方法:今回,そのサブ解析として,EPTによる運動耐容能向上が声門閉塞変化および換気能変化に依存するかどうか喉頭鏡下漸増負荷検査による声門開大比(最大開大面積に対する比)と換気指標を用い検討した.

    結果:ステップワイズ法により最高酸素摂取量向上により関連する指標を検討すると,平均呼気1回換気流量の変化量(p<0.0001)および声門最大閉塞時の声門開大比変化量(p<0.0001)が選択された.

    結論:EPTによる上気道の声門開大化と換気量向上が下気道疾患であるCOPDの運動耐容能改善に繋がった可能性が示唆された.

  • 湯本 真衣, 加藤 大悟, 宇賀 大祐, 渋澤 雅貴, 鈴木 翔太, 髙川 啓太, 和田 直也, 土橋 邦生, 笛木 直人, 笛木 真
    原稿種別: 原著
    2024 年 32 巻 3 号 p. 319-323
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    【目的】外来リハビリテーションの改善点や問題点を明らかにするため満足度調査を実施した.

    【対象と方法】当院の呼吸リハビリテーションを1年以上継続している慢性呼吸器疾患患者13名に,呼吸リハビリテーションに対する満足度について,「欲求の充足に基づく顧客満足度(以下,CSSNS)」,自作の質問紙を用い調査した.

    【結果】CSSNSの得点と息切れに関する指導への満足度(r=0.718,p<0.05),息切れ対処法に対する指導への満足度(r=0.717,p<0.05)で有意な相関を認めた.CSSNSの各領域では,『自律性欲求の充足』,『担当者との関係欲求の充足』において息切れに関する指導と有意な相関を認めた.

    【結語】息切れに関する指導に対する満足度が高いと,CSSNSで評されるリハビリテーションへの満足度も高くなることが明らかになった.満足度を向上させ,リハビリテーションへの主体性や日常生活動作能力向上を目指すためには息切れに関する指導が重要であることが示唆された.

  • 松尾 聡, 池内 智之, 新貝 和也, 矢野 志帆理, 森 大地, 森 駿一朗, 井元 淳, 河野 哲也, 津田 徹
    原稿種別: 原著
    2024 年 32 巻 3 号 p. 324-329
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
    [早期公開] 公開日: 2023/10/17
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    【目的と方法】COPD増悪入院後,呼吸リハビリテーションを実施した84例を対象とし,後方視的に退院後1年以内の増悪による再入院に関連する因子について患者特性,肺機能,在宅酸素療法の導入有無,前年のCOPD増悪,退院後の呼吸リハ継続有無を調査し,1年以内の再増悪との関連を検討した.有意であった因子についてはカットオフ値を算出した.

    【結果】年齢,性別,%FEV1を調整変数としたCox比例ハザード分析の結果,再増悪は外来・訪問呼吸リハ継続有り(HR, 0.409; 95%CI, 0.191-0.876),CAT得点(HR, 1.071; 95%CI, 1.026-1.118)に有意な関連を認めた.1年以内の再入院を予測するCATのカットオフ値は22.5点(感度=0.44,特異度=0.90,AUC=0.72)であった.

    【結語】CATのカットオフ値を用いることで,1年以内の再増悪リスクが高い患者を抽出することが可能となる.また,退院後も呼吸リハを継続することで,再増悪リスクの低下に期待ができることが示唆された.

  • 馬上 修一, 杉野 圭史, 須藤 美和, 八木田 裕治, 齋藤 美加子, 小野 紘貴, 坪井 永保
    原稿種別: 原著
    2024 年 32 巻 3 号 p. 330-335
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    胸膜肺実質線維弾性症(pleuroparenchymal fibroelastosis; PPFE)及び特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis; IPF)患者の身体機能,health related quality of life(HRQOL)の相違点を知る目的で,当院に入院したPPFE 19例,IPF 211例を対象に比較検討した.PPFE患者では,頻脈,six-minute walk distance(6MWD)の短縮,身体機能及びHRQOLの低下を有意に認め,最低SpO2値は有意に高かった.重症例の比較では,PPFE患者において修正Borg スケールが有意に高く,6MWDが有意に短縮した.そのため,PPFE患者はIPF患者よりも身体機能やHRQOLの悪化が示唆されるため,コンディショニングや低負荷からの運動療法の必要性が示唆された.

  • 山中 悠紀, 大平 峰子, 金子 弘美, 鏑木 武, 沖 侑大郎, 石川 朗
    原稿種別: 原著
    2024 年 32 巻 3 号 p. 336-341
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    【目的】COPD患者の健康関連QOL低下に及ぼす低体重の影響を明らかにすること.

    【方法】COPD患者160例(年齢:76.4±6.8歳,1秒率:51.7±16.3%)をBMI 20 kg/m2未満(低体重)と20~26 kg/m2(標準体重),6分間歩行距離 300 m未満と 300 m以上の組み合わせで4群に分け,一般的健康関連QOL尺度のSF-36について説明変数を患者分類,共変量を気流閉塞,MRC息切れスケールとした共分散分析による比較を行った.

    【結果】MRC息切れスケールを共変量とした推定値の比較が可能で,標準体重の患者と比較して低体重で6分間歩行距離 300 m以上の患者で日常役割機能身体,心の健康に有意な低下が示された.

    【結語】運動耐容能が維持された低体重のCOPD患者では呼吸困難の影響を調整することで標準体重の患者と比べて包括的な健康度の一部に低下を認める可能性があることが示された.

  • 木戸 孝史, 奥野 将太, 白土 健吾, 川満 謙太, 大神 汰一, 小須田 シオン, 樋口 卓哉, 三宅 彩音, 安田 学, 山下 智弘
    原稿種別: 原著
    2024 年 32 巻 3 号 p. 342-347
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
    [早期公開] 公開日: 2023/12/27
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    【目的】肺癌手術患者における入院期間中の運動耐容能改善が,術後1ヶ月の運動耐容能に影響を与えるか検証した.

    【方法】対象は,非小細胞肺癌に対して肺葉切除術を施行した105例.入院期間中の6分間歩行距離(以下,6MWD)の変化量(退院前 6MWD-術前 6MWD:以下,入院中Δ6MWD)が,術後1ヶ月での術前 6MWDへの回復の有無に影響を与えるか,多重ロジスティック回帰分析を実施した.また,術後1ヶ月での術前 6MWDへの回復の可否に関する入院中Δ6MWDのROC曲線を描写した.

    【結果】入院中Δ6MWDは,術後1ヶ月での術前 6MWDへの回復の有無に影響を与える独立因子であり,カットオフ値は-17 mであった.

    【結語】肺癌手術患者における入院期間中の運動耐容能改善は,術後1ヶ月での術前運動耐容能への回復に影響を与えることが示唆された.また,退院前 6MWDが術前 6MWDから-17 m以内に改善することで,術後1ヶ月に術前 6MWDへの回復を予測する可能性がある.

  • 矢野 志帆理, 新貝 和也, 池内 智之, 松尾 聡, 森 駿一朗, 森 大地, 六反田 雄一, 井元 淳, 河野 哲也, 津田 徹
    原稿種別: 原著
    2024 年 32 巻 3 号 p. 348-353
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
    [早期公開] 公開日: 2023/12/15
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    【背景と目的】慢性呼吸器疾患患者における介護保険下での通所呼吸リハビリテーションが費用面に及ぼす影響を検討すること.

    【対象と方法】慢性呼吸器疾患患者13例を対象とし,通所呼吸リハビリテーションを利用した1年間(PR実施期間)と,通所呼吸リハビリテーションの利用がなかった1年間(PR非実施期間)の費用面を比較,検討した.

    【結果】PR実施期間では非実施期間と比較して,医療保険料,総保険料が低い傾向を示した(p=0.099,0.075).また,入院率も同様にPR実施期間でより低い傾向を示した(p=0.063).加えて,PR実施期間中には入院がなく,PR非実施期間中に入院をした症例が5例(38%)あり,このサブグループではPR非実施期間と比較してPR実施期間の医療保険料および総保険料が有意に低かった(共にp=0.043).

    【結語】介護保険下での通所呼吸リハビリテーションにより,入院を予防し,医療費削減に寄与できる可能性が示唆された.

症例報告
研究報告
  • 山本 紗矢香, 永谷 元基, 井上 貴行, 小原 雄斗, 鬼頭 正信, 麻生 裕紀, 大島 英揮
    原稿種別: 研究報告
    2024 年 32 巻 3 号 p. 358-363
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
    ジャーナル フリー HTML

    【背景と目的】呼吸器疾患患者には急性期から維持期まで継続的な呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハ)が必要であるが,その普及は未だ不十分であると報告されている.本研究の目的は,呼吸器疾患にて入院した患者の退院後の呼吸リハの継続状況を調査し,継続に関わる要因を分析することである.

    【対象と方法】呼吸器疾患が原因で亜急性期病院に入院し,呼吸リハを実施した65歳以上の患者87例のうち退院が可能であった65例を対象とした.呼吸リハ継続の有無を従属変数とし,呼吸リハ継続に関わる要因について多変量解析を用いて検討した.

    【結果】呼吸リハ継続群は14例,非継続群は51例であった.多変量解析の結果,要介護度が高く,認知機能が低下していないことが呼吸リハ継続の要因であった.

    【結語】呼吸器疾患患者が亜急性期病院を退院,転院する際には,要介護度と認知機能を踏まえて退院後の呼吸リハを検討する必要があると考えられた.

  • ~看護師による支援の特徴~
    嶋田 知恵, 小野 聡子, 加藤 真帆, 石川 佳子, 伊東 美佐江
    原稿種別: 研究報告
    2024 年 32 巻 3 号 p. 364-370
    発行日: 2024/08/30
    公開日: 2024/08/30
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    【背景と目的】非がん性呼吸器疾患は予後予測が困難でACPのタイミングを困難にさせ,支援が進んでいない.そこで,先行研究から非がん性呼吸器疾患患者と家族への看護師のACP支援の特徴を明らかにし,課題を検討した.

    【対象と方法】医中誌Web版で2011年~2021年,「呼吸器疾患 NOT (COVID OR がん)」AND「アドバンスケア計画」で検索し,14論文を分析した.看護師のACP支援に関する内容からコードを抽出し,Text Mining Studio Ver 7.1を用いて分析した.

    【結果】「患者」「家族」「伝える」が高頻度に抽出された.係り受け頻度解析で「家族-伝える」「患者-介入」等があり,ことばネットワーク分析で「患者」「家族」「伝える」を中心としたまとまりがあった.「患者」との共起関係で「人工呼吸器」「価値観シート」「ライフヒストリー」「傾聴」「対話」がみられた.

    【結語】患者中心のACP支援であるが,患者のみならず家族を交えた支援も不十分で,今後の支援の重要性が改めて示唆された.

用語集
査読協力者
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