日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
シンポジウム
医療ソーシャルワーカーの立場から活動範囲を広げるために
末松 利加廣石 美穂池内 智之津田 真実中山 初美一木 克之自見 勇郎河野 哲也津田 徹
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2024 年 33 巻 1-3 号 p. 52-57

詳細
抄録

医療ソーシャルワーカー(medical social worker: MSW)は個人をとりまく社会環境の改善を図るために,多職種との連携や医療と介護の連携,地域連携により,利用できる社会資源の活用などの情報提供を行い,自宅内から近隣,そして地域社会へと安心して活動範囲が広がるよう支援する.活動範囲を広げるには,患者自身の「こころの健康」や「セルフマネジメント」も重要と思われる.心理的・精神的に不安定となれば当然,身体活動性も低下する.呼吸困難感の訴えに耳を傾け,共感することで信頼や安心感を築き,運動を促すこともできる.また,多面的なセルフマネジメント教育を行うことで行動変容を来し,活動範囲が広がることにも繋がる.そこで当院では,MSWも身体活動性を高めるべく,リラクセーション,音楽療法,アロマセラピーなどの代替療法を利用し,こころの支援を続けているが,MSWの立場でも活動範囲を広げるための一翼を担えると考えている.

著者関連情報
© 2024 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top