医療ソーシャルワーカー(medical social worker: MSW)は個人をとりまく社会環境の改善を図るために,多職種との連携や医療と介護の連携,地域連携により,利用できる社会資源の活用などの情報提供を行い,自宅内から近隣,そして地域社会へと安心して活動範囲が広がるよう支援する.活動範囲を広げるには,患者自身の「こころの健康」や「セルフマネジメント」も重要と思われる.心理的・精神的に不安定となれば当然,身体活動性も低下する.呼吸困難感の訴えに耳を傾け,共感することで信頼や安心感を築き,運動を促すこともできる.また,多面的なセルフマネジメント教育を行うことで行動変容を来し,活動範囲が広がることにも繋がる.そこで当院では,MSWも身体活動性を高めるべく,リラクセーション,音楽療法,アロマセラピーなどの代替療法を利用し,こころの支援を続けているが,MSWの立場でも活動範囲を広げるための一翼を担えると考えている.