2024 年 33 巻 1-3 号 p. 48-51
COPD患者における身体活動レベル低下が,死亡率や増悪入院のリスクを高めることが明らかになっているが,呼吸リハビリテーションにより,身体活動量増加の長期的効果を示すエビデンスは乏しいのが現状である.訪問リハビリテーション場面においても,身体活動量の増大と活動範囲を広げることが非常に重要だと認識していながらも,特に高齢で重度のCOPD患者に対する介入について,運動療法を中心としたプログラムのみでは,難渋する場面が多い.この課題解決に向け,運動に対する不安や恐怖心を解消できるよう工夫し,成功体験を増やしていくことが重要である.また,家族指導や環境設定も活動範囲を広げていくためのポイントとなる.そして,病態に応じた呼吸リハビリテーションのシームスレスな介入を実現させていくためにも,呼吸器疾患に対する要介護認定調査の認定基準などの課題を解決していくことも重要である.