2025 年 34 巻 2 号 p. 136-143
身体活動性の維持・向上はCOPDの重要な管理目標であるが,どのような要因が身体活動性に影響を及ぼしているかは十分明らかにされてはいない.本研究では「石巻地域COPDネットワーク」に登録された安定期COPD患者309人(男性294人,女性15人;年齢中央値75歳)を対象に身体活動性に関連する因子を前向きに検討した.身体活動性は3軸加速度センサー式活動量計で評価した.身体活動性は病期が進行すると低下したが,軽症患者では健常人と同程度であった.身体活動性の高い患者は,若年で,病期が軽く,肺機能と運動耐容能が良好で,息切れが少なく,健康状態が良好で,ADLが高く,抑うつ傾向がなく,増悪歴が少なく,LINQスコアが低かった.COPD患者の身体活動性には,自覚症状・肺機能・運動耐容能とともに,患者の疾患理解度・生活背景・精神状態が関連していることが示唆された.