2025 年 34 巻 2 号 p. 144-150
【目的】増悪入院歴のない慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の身体活動量の実態を呼吸困難の程度の違いも含め,明らかにする.
【方法】増悪入院歴のない男性のCOPD患者を対象とし,修正MRC息切れスケール(mMRC)を基に2群[A群(mMRC 0-1),B群(mMRC≧2)]に分類し,身体活動量(歩数,代謝当量別時間)測定し比較検討を行った.
【結果】歩数は両群において有意差を認めないが,B群は歩行および屋外活動に相当する 3.0~3.9 METsが有意に減少していた.また両群は1日の活動において,臥位,座位または立位に相当する 1.0~1.9 METsの割合が高いことが示された.
【考察】COPD患者が呼吸困難を経験した時点から,身体活動量に関する情報提供と呼吸リハビリテーションの促進が必要であり,身体活動量の向上と維持に対して有益にはたらくようセルフマネジメント支援が課題である.